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○土佐清水市手話言語条例
令和2年6月30日条例第18号
土佐清水市手話言語条例
言語は,人々が,お互いの意思疎通を図り,感情を分かり合い,知識を蓄え,文化を創造する上で不可欠なものであり,人類の発展に大きく寄与してきました。
手話もまた,手指や体の動き,表情を使って視覚的に表現する言語として,大切に受け継がれてきました。
しかしながら,これまで言語としての手話を使用する環境が整えられてこなかったことから,ろう者は多くの不便や不安を感じながら生活してきました。
こうした中で,障害者の権利に関する条約や障害者基本法において,手話が音声言語と同様に言語であることが位置付けられました。
土佐清水市では,手話は言語であるとの認識に基づき,手話の理解と広がりをもって,手話を使って安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指し,この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は,手話は言語であるとの認識に基づき,手話の理解及び普及に関し基本理念を定め,市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに,市が実施する施策の基本的事項を定めることにより,総合的かつ計画的に施策を推進し,市民がお互いに尊厳を大切にして安心して暮らすことができる地域社会の実現を目的とします。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによります。
(1) ろう者 手話を言語として日常生活又は社会生活を営む聴覚障害者をいいます。
(2) 事業者 市内に事業所又は事務所を有し,事業を行う法人その他の団体又は個人をいいます。
(基本理念)
第3条 手話の普及は,ろう者とろう者以外の者が,相互の違いを理解し,その個性と人格とを互いに尊重することを基本として行うものとします。
2 手話が言語であることを認識し,手話への理解の促進と手話の普及を図り,手話でコミュニケーションを図りやすい環境を構築するものとします。
(市の責務)
第4条 市は,前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき,基本理念に対する市民の理解を推進するとともに,手話の普及その他の手話を使用しやすい環境の整備に努めるものとします。
(市民の役割)
第5条 市民は,手話の意義及び基本理念を理解するよう努めるものとします。
(事業者の役割)
第6条 事業者は,基本理念に対する理解を深め,ろう者が利用しやすいサービスの提供や働きやすい環境を整備するよう努めるものとします。
(施策の推進)
第7条 市は,第4条の規定による責務を果たすため,次に掲げる施策を推進するものとします。
(1) 手話に対する理解及び手話の普及を図るための施策
(2) 手話による意思疎通や情報を得る機会の拡大のための施策
(3) 地震,津波,風水害等の災害時において必要な情報その他の市政に関する情報を正確かつ速やかに得ることができるよう,手話による情報の提供その他のコミュニケーションのための必要な支援を行うための施策
(4) 前3号に掲げるもののほか,市長が必要と認める事項
(財政上の措置)
第8条 市は,手話に関する施策を積極的に推進するために必要な財政上の措置を講ずるものとします。
(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は,市長が別に定めます。
附 則
この条例は,令和2年7月1日から施行します。



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