○土佐清水市再生可能エネルギー基本条例
平成28年12月26日条例第42号
土佐清水市再生可能エネルギー基本条例
土佐清水市再生可能エネルギー基本条例(平成25年条例第19号)の全部を改正する。
地球温暖化は,世界規模の砂漠化の進行や海面上昇にとどまらず,食料不足,飲料水の枯渇及び生態系の破壊等をもたらし,人類の生存基盤である地球環境への深刻な影響を及ぼすことから,その対策は喫緊の課題となっている。
また,東日本大震災に起因する原子力発電所の事故等により,エネルギー政策の抜本的な転換も不可避となっている。
このような中,既存資源の省エネルギー化に向けた取組や,環境にやさしい再生可能エネルギーの創出が今求められている。
足摺宇和海国立公園の中核を占め,豊かな海と緑を有する土佐清水市では,先達が守り育ててきた自然環境や安全安心な生活環境の保全及び形成並びに自然資源を生かしたエネルギーの効率的な利活用との調和を図り,将来にわたって豊かな自然環境を保全した持続可能な循環型社会を構築するため,ここに土佐清水市再生可能エネルギー基本条例を制定するものである。
(目的)
第1条 この条例は,豊かな自然環境及び再生可能エネルギーが地域固有の資源であるとの認識のもと,その活用について,土佐清水市(以下「市」という。),土佐清水市内で設置事業を実施する事業者(以下「事業者」という。)及び土佐清水市民(以下「市民」という。)の役割を明らかにするとともに,自然環境,生活環境及び産業環境の保全並びにこれらとエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保との調和を図り,エネルギーの供給にかかる環境への負荷の低減を促進し,もって市民が主体となった地域社会の持続的な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「再生可能エネルギー」とは,電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)(以下「再生可能エネルギー特別措置法」という。)第2条第4項に規定する再生可能エネルギー源を変換して得られる電気その他のエネルギーをいう。
2 この条例において「発電設備」とは,再生可能エネルギー特別措置法第2条第3項に規定する再生可能エネルギー発電設備をいう。
3 この条例において「特定発電設備」とは,再生可能エネルギーを電気に変換する発電設備のうち,その出力が10キロワット以上のものであって,全量売電を主たる目的とする事業の用に供されるものをいう。
4 この条例において「設置事業」とは,発電設備を設置する行為(土地の権利の取得,伐採,造成,工事等設置に係る事業の全てを含む。)をいう。
(基本理念)
第3条 市,事業者及び市民は,地域環境と調和した再生可能エネルギーの利活用を図り,地域ごとの自然条件に合わせた持続性のある活用に努め,地域環境との整合性及び近隣関係者等への影響に十分配慮することを前提として,相互に協力して地域固有の資源である再生可能エネルギーの活用に努め,地域の発展に資するものとする。
(市の役割)
第4条 市は,地域社会が持続的に発展するように,前条の理念に沿って積極的に人材を活用し,事業者や市民への支援等の必要な措置を講ずることができる。
(事業者の役割)
第5条 事業者は,再生可能エネルギーの活用に関し,第3条の理念に沿って環境及び近隣関係者等への影響に配慮し,効率的なエネルギー供給に努めるものとする。
(市民の役割)
第6条 市民は,再生可能エネルギーについての知識の習得と実践に努めるものとする。
(連携の推進等)
第7条 市は,再生可能エネルギーの活用に関しては,国,他の地方公共団体,大学,研究機関,市民,事業者及び民間非営利活動法人その他の関係機関と連携を図るとともに,相互の協力が増進されるよう努めるものとする。
(学習の推進及び普及啓発)
第8条 市は,再生可能エネルギーの活用について,市民及び事業者の理解を深めるため,再生可能エネルギーに関する学習の推進及び普及啓発について必要な措置を講ずることができる。
(ガイドライン等への準拠)
第9条 特定発電設備にかかる設置事業を市内において実施しようとする事業者は,高知県が太陽光発電に関して定めるガイドライン等に準拠しなければならない。
2 特定発電設備に該当しない発電設備にかかる設置事業を市内において実施しようとする者は,高知県が太陽光発電に関して定めるガイドライン等に準拠するよう努めなければならない。
(届出)
第10条 前条に定める事業者は,当該事業に着手しようとする日の60日前までに,規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。
2 特定発電設備に該当しない発電設備にかかる設置事業を市内において実施しようとする者は,当該事業に着手しようとする日の60日前までに,規則で定めるところにより市長に届け出るよう努めなければならない。
(指導,助言又は勧告)
第11条 市長は,第3条の理念に基づき,再生可能エネルギーの利活用による地域環境との整合性及び近隣関係者等への影響との調和を図る必要があると認めるときは,事業者に対して,必要な措置を講ずるよう指導,助言又は勧告を行うことができる。
(公表)
第12条 市長は,事業者が正当な理由がなく相当の期限を経ても前条に基づき勧告された措置を講じない場合には,事業者の氏名及び住所(法人その他団体にあっては,その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告内容を公表することができる。
2 市長は,前項の規定により公表しようとするときは,あらかじめ当該事業者に意見を述べる機会を与えなければならない。
3 市長は,前項の規定により事業者から意見が述べられた場合は,当該意見を十分に検討し,第1項の規定による公表を行うかどうかを判断するものとする。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。
附 則
この条例は,平成29年4月1日から施行する。