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平成29年12月4日の市長室

市長提案理由説明書

  本日ここに、平成29年土佐清水市議会定例会12月会議の開催に当たり、市政の課題等につきまして、所信の一端を申し述べますとともに、平成29年度土佐清水市一般会計補正予算(第7号)をはじめとする議案等について御説明申し上げ、議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力をお願いいたします。

  去る10月7日、「第16回ジョン万次郎フェスティバル」が、姉妹都市でありますアメリカのフェアヘーブンで開催されました。
  今年は、ホイットフィールド船長とジョン万次郎の縁により、フェアヘーブン、ニューベッドフォード両都市と姉妹都市盟約を結び30周年という記念すべき年であり、10月5日から11日までの日程で、仲田市議会議長や程岡姉妹都市友好協会会長、沖縄県からも沖縄ジョン万次郎会赤嶺会長、高安家6代目御夫妻、また、清水高校生姉妹都市派遣事業として高校生5人を含めた総勢29人で参加いたしました。
  フェスティバル当日は天候にも恵まれ、ホイットフィールド・万次郎友好協会のルーニー会長御夫妻をはじめフェアヘーブンのセレクトマン、ニューベッドフォード市長など、地元からも多くの皆様が参加し、大変賑やかなフェスティバルとなりました。
  式典では、両都市との姉妹都市交流の歴史を大切にし、より一層の友情を育みながら、今後、更にお互いが発展することを御祈念申し上げたところです。
  会場では、参加者の皆様による着物でのお茶の振る舞いがイベントに華を添え、また、用意していただいた土佐清水ブースでは、コマやけん玉などの「日本の昔遊び」や、清水高校生の書道コーナーが大盛況で、終日、順番待ちの行列が途切れることがなく、イベントの最後には、恒例となった「あしずり踊り」を来場者の皆様とともに楽しく踊り、大いに盛り上がった1日となりました。
  また、今回の訪問ではジョン万次郎フェスティバルの参加にあわせ、ニューベッドフォードの「捕鯨博物館」と「ジョン万次郎資料館」との連携協定の締結も行ってまいりました。
  この連携協定は、日米の両館が保有する資料の貸し借りをはじめ、ノウハウや相互の交流による活性化を図ることを目的にしたものですが、締結にあわせ「捕鯨博物館」では「ジョン万次郎コーナー」を新設し、ジョン万次郎の功績を讃えるとともに、土佐清水市の紹介など、広報啓発にも努めていただくことになっております。
  また、現在休館中で「志国高知  幕末維新博」第二幕にあわせ、内装・外装を一新し、来年4月にリニューアルオープンとなる「ジョン万次郎資料館」の展示物などの充実を図るために、今後、連携して取組を進めていくことも確認したところです。
  帰国後は、ジョン万次郎の命日にあたる11月12日に合わせ東京で開催された「第6回ジョン万サミット」に出席し、フェアヘーブンでの「ジョン万次郎フェスティバル」の模様も報告をしながら、ジョン万次郎を顕彰する全国各地の関係者の皆様と交流を深めたところですが、来年は、ジョン万次郎没後120周年、明治維新150周年の節目の年にあたり、土佐清水市での「ジョン万祭り」「ジョン万サミット」開催が決定されております。
  ジョン万次郎のNHK大河ドラマ化実現に向けた取組や、ホイットフィールド船長とジョン万次郎の友情・功績を全国に発信する取組も強化し、友好の輪が国を越えて益々広がるよう更に努力してまいりますので、今後におきましても皆様の御支援・御協力をお願いいたします。

  次に、10月23日、株式会社ワールドワン初の高知県出店となる「土佐清水ワールド  幡多バル  高知本店」がオープンいたしました。 幡多6か市町村と、観光誘客や、農林水産物等の消費・販売拡大などを目的とした連携協定協力店であります欧風居酒屋「幡多バル」としましては、「神戸元町店」、「東京西新宿店」に続く3店舗目となり、地元の美味しい食材から生まれる料理は、今回もこれまでの店舗と同様に、土佐清水市出身で東京神楽坂の人気スペインバル「バルマコ」の今村オーナーシェフの監修によるものです。
  平成27年に開店した「土佐清水ワールド」1号店から数えると「幡多バル  高知本店」は8店舗目となり、株式会社ワールドワンが経営する地域特化の飲食店としては最も多い店舗数となっておりますので、今後も食材の提供以外でも、本市の魅力の情報発信拠点として連携を強化し、更なる地産外商を推進してまいります。

  続きまして、宗田節料理を提供する市内の21店舗で新たにスタンプラリーの取組がはじまりました。
  この事業は本市の重要施策の一つであります「メジカ産業再生プロジェクト」の一環として、宗田節の認知度拡大策と位置付けられた事業であり、これまで土佐清水青年会議所が発案し、「宗田節ロード」として宗田節料理を提供する店舗をパンフレットで紹介してきたもので、参加店を11店舗から21店舗に増やし、スタンプラリーの実施により更に盛り上げていこうというものです。
  ぜひ皆様の御参加をよろしくお願いいたします。

  続きまして、今年の人事院勧告についてであります。人事院は、8月8日、国家公務員の給与について、官民格差に基づき、本年4月に遡って月例給0.20%、一時金0.10月分引き上げの勧告を行いました。
  本市は例年、この人事院勧告につきましては、国に準拠した給与改定等を実施してまいりましたが、今回につきましても、職員組合と協議・交渉を行い、勧告どおり実施することとし、これに伴い、本会議におきまして、関連する条例改正案のほか、補正予算案を提出させていただいております。詳細につきましては、この後、担当課長より説明させていただきます。

  続きまして、平成30年度予算編成方針についてであります。
  先の9月会議審議期間中の総務文教常任委員会及び産業厚生常任委員会におきまして、最新の長期財政見通しについて御説明させていただいたところですが、今後も大変厳しい財政運営が続くことが予想されます。
  来年度の予算編成につきましても、これまで通り「子どもは宝」「若者は希望」「お年寄りは誇り」「命を守る」「絆は力」、この5つを重点施策として予算を重点化するほか、「土佐清水市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り込んだ事業を特別枠として位置付け、重点化することとしていますが、一方で、財源不足の圧縮や財政健全化に努めていくことも必要不可欠であります。
  職員一人一人が、自らの担当する事業や業務について緊急性・必要性、費用対効果、類似事業の整理・統合、更には優先順位の選択など十分に検証した上で、既存事業の見直し・効率化を徹底し、知恵を出し合って限られた財源の中で最大の効果を生むような事業を展開するよう指示したところです。
  新たな施策や支援制度、国・県の動向を注視しながら、当初予算に反映できるものは積極的に導入していきたいと思っております。

  それでは、御提案申し上げました各案件につきまして、御説明申し上げます。

  報告第16号は、衆議院議員選挙の執行費用に係る平成29年度一般会計補正予算(第5号)1,747万8千円を、平成29年9月28日に専決処分した報告であります。

  報告第17号は、台風22号で被災した市道下ノ加江布線の災害復旧に係る平成29年度一般会計補正予算(第6号)1,200万円を、平成29年11月10日に専決処分した報告であります。

  報告第18号は、公営住宅法施行令の改正により、関連する条例の一部を改正するもので、地方自治法第180条第1項の規定に基づき、平成29年10月13日に専決処分した報告であります。

  報告第19号は、市営住宅使用料の請求に係る訴えの提起について、地方自治法第180条第1項の規定に基づき、平成29年10月3日に専決処分した報告であります。

  議案第59号から第64号までの6件は、平成29年度予算にかかる補正予算案であります。

  一般会計補正予算(第7号)では、「子育て・教育環境の充実」予算といたしまして、きらら清水保育園太陽光発電設備出力制御装置取付修繕工事130万円など、計679万8千円、「基幹産業の復興と雇用対策」予算といたしまして、森林・山村多面的機能発揮対策交付金負担金16万円など、計41万5千円、「高齢者の生きがいづくりと中山間対策」予算といたしまして、後期高齢者健康診査事業に120万1千円、「南海地震・津波対策」予算といたしましては、赤十字救急法救急員養成事業として5万2千円を計上しております。
  この他にも、市道維持修繕費300万円、児童公園駐車場整備事業450万円、ふるさと元気寄附金推進事業183万6千円などを含めまして、歳入歳出それぞれ合計2億1,237万1千円を補正計上し、一般会計予算総額は111億656万3千円となります。

  特別会計では、5会計につきまして補正予算案を計上させていただきました。

  国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)は、国・県支出金精算返還金のほか、人事院勧告に伴う人件費を計上しております。

  介護保険特別会計補正予算(第3号)、指定介護老人福祉施設事業特別会計補正予算(第1号)、後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)、再生可能エネルギー事業特別会計補正予算(第1号)は、人事院勧告などに伴う人件費の組み替えによるものであります。

  議案第65号は、農業委員会等に関する法律の改正に伴い、条例を制定するものであります。

  議案第66号は、地方公営企業法の改正に伴い、条例を制定するものであります。

  議案第67号から第69号までの3件は、人事院勧告に伴い、関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第70号は、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正に伴い、関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第71号、第72号は、個人情報の保護に関する法律などの改正に伴い、関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第73号は、農業委員会等に関する法律の改正に伴い、関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第74号は、高台移転となった下川口保育園の設置位置変更のため、関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第75号は、給水用途の種別や水道料金について関連する条例の一部を改正するものであります。

  議案第76号は、地方自治法第252条の2第1項の規定に基づき、高知市との間に連携協約を締結するため、議会の議決を求めるものであります。

  議案第77号は、「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」に基づき、工事の委託協定を変更することについて議会の議決を求めるものであります。

  議案第78号から第81号までの4件は、今年度末で指定管理期間が満了となる「白山洞門展望足湯」「市民文化会館」「中央公民館」「市民図書館」につきまして、来年度以降、指定管理者として指定することについて議会の議決を求めるものであります。

  以上をもちまして、議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。なお、細部につきましては、所管課長から説明をいたしますので、何とぞ御審議の上、適切な議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

  最後に、去る11月2日不慮の事故により急逝した、企画財政課地域づくり支援係長・植杉英輔君の御逝去を悼み、この場をお借りいたしまして、深く哀悼の意を表します。
  顧みますと、植杉君は、平成13年4月に土佐清水市役所へ入庁、その年9月に本市を襲った「西南豪雨災害」では昼夜を問わず、被害にあわれた方への対応や被災地の復旧作業に率先して取り組み、現場へ向かう姿は、当時同じ職員として、また被災した下川口の住民の一人として、とても頼もしく感じたことでした。
  平成16年には農林水産課に異動となり、本市の基幹産業の一つである農業施策に深く携わり、積極的に農家の方たちと交流しながら、各農家が抱えている課題を明らかにしたうえで、その解決に向けた取組として、集落営農組織の先進的な事例となりました「ふぁー夢宗呂川」の基礎を築いたと言っても過言ではありません。
  また、平成20年に税務課に異動となってからは固定資産税係の担当者として5年間従事し、その後、幡多広域市町村圏事務組合へ2年間派遣されていましたが、平成27年4月、私が市長に就任して以来、重点施策と位置付け新設した「地域づくり支援係長」に抜擢すると同時に、これまでに得た知識と経験を十二分に発揮し、昼夜を問わず職務に全力で取り組んでこられました。
  特に「地域づくり支援係長」の重責は、部下に地域おこし協力隊という、他の地域から違った考えや視点をもち、地方を活性化させることを目的とした職員が配置され、ともすれば摩擦が生じやすくなる係内を上手にまとめ、協力隊員が入る地域との橋渡し役をしっかりとこなし、併せて、係の業務として行っている、土佐清水市への移住・定住支援策では、高知県内でもトップクラスの移住実績を誇り、他の市町村からも一目置かれる存在でありました。
  とりわけ「特命事項」であった集落活動センターの立ち上げにおいては、下川口地区の住民と心通わせ、「集楽活動センター・下川口家」の設立を果たしたことは、特筆すべき功績であります。
  市役所の中核を担い、今後、幹部職員として期待していた植杉君との早すぎる別れは、痛恨の極みでありますが、ここに改めて、衷心より御冥福をお祈りいたしまして、開会の御挨拶といたします。

平成29年12月4日
土佐清水市長 泥谷 光信

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