平成29年9月4日の市長室
市長提案理由説明書
本日ここに,平成29年土佐清水市議会定例会9月会議の開催に当たり,市政の課題等につきまして,所信の一端を申し述べますとともに,平成29年度土佐清水市一般会計補正予算(第4号)をはじめとする議案等について御説明申し上げ,議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力をお願いいたします。
まず,集落活動センターの取組についてであります。地域を盛り上げようと取組を進めて参りました下川口集落活動センターの設立委員会が,8月26日,「下川口浦憩いの家」で開催されました。
当日は,「高知県集落活動センター連絡協議会」会長で,土佐町の「集落活動センター いしはらの里」の会長を務める筒井会長や,仲田土佐清水市議会議長,高知県や関係団体の皆様の他,地域の皆様も含めると50人を超える方々に御出席いただき,大変賑やかな設立の会となりました。
この設立委員会では,「集楽活動センター 下川口家」の規約,委員,役員,事業計画も示され,すべての議案が承認,「住民の絆の力を磨き,住民主体による持続可能な集落づくりを図り,下川口を,夢があり次世代につながる輝く地区にしていく事を目的とする」ことを確認し,選任された溝渕会長より「集楽活動センター 下川口家」の設立が宣言されました。
また,設立宣言のあと,筒井会長より,「集落活動センター いしはらの里」での取組などについて御紹介をいただくとともに,「集楽活動センター 下川口家」設立までの2年以上にわたる歩みが,スライドで紹介されたところです。
その後開催された懇親会にも大勢の方が参加され,今後,更に「下川口家」をより良いものにするよう交流を深めたところであります。
「下川口家」は「仕事をつくる・お金をかせぐ」部会,「環境を守る・災害から身を守る」部会,「絆をつくる・伝統を守る」部会,「生活を楽にする・皆で支え合う」部会の4つの部会で構成され,それぞれの部会で直販市や高齢者等への配食サービス,避難訓練に関する取組,地区別運動会の復活,高齢者の見守り活動などに取り組むこととしており,11月3日には早速,地区別運動会を開催する予定とのことです。
「集楽活動センター 下川口家」の「集楽」の「らく」の字には「楽しい」の「らく」の字があてられ,「楽しく活動する」という地域の皆様の思いが込められております。地域の皆様が自ら「地域への愛着・誇り」を感じられる喜びは,今後の活動にいきてくると思いますし,集落活動センターは地域に活力をもたらす,過疎に負けない大切な取組のひとつであります。
これまで,何度も何度も会を重ね,県内の先進地視察,ゴールデンウィークの直販市など,「下川口家」設立のため準備を進めてきた地域の皆様の御尽力に感謝申し上げるとともに,今後も地域の皆様とともに地域が元気になる取組を推進し,更に,他の地域へも波及させていきたいと考えておりますので,これまで以上に皆様の御協力をお願いいたします。
次に,ジョン万次郎の縁で姉妹都市盟約を締結している沖縄県豊見城市と今年もスポーツ交流を通じ親睦を深めました。
今年は,豊見城市の少年野球チームが,「あしずりまつり」に合わせての来清予定でありましたが,台風5号の影響により,3週間後の8月25日から8月28日の日程で本市を訪れました。カツオのたたき作り体験や,足摺岬観光,ジョン万次郎資料館見学などの自然文化交流のあと,27日には,「第30回郵YOU杯少年野球大会」が開催され,野球を通しての交流を深めたところであります。
試合は熱戦の結果,土佐清水ファイターズが優勝を飾り幕をおろしましたが,その後開催されたスポーツ交流懇親会において,更に豊見城市の皆様と親睦を深めたところです。
また,今年は10月7日に同じく姉妹都市であるアメリカ・マサチューセッツ州フェアヘーブンで「第16回ジョン万祭り」が開催されます。
14歳で漂流したジョン万次郎が,アメリカの捕鯨船ジョン・ハウランド号に救助されたのち,ホイットフィールド船長の好意によりフェアヘーブンで勉学に励み,捕鯨船で乗組員として活躍するまでの青年期を過ごしたことを記念し,フェアヘーブンの人々が日本の文化の紹介や日米の友好・交流を目的として2年に1度開催をしておりますが,今年度はフェアヘーブン,ニューベッドフォードと姉妹都市盟約30周年の節目の年でもあり,私も10月5日から7日間の日程で,仲田議長や土佐清水市姉妹都市友好協会の程岡会長とともに参加をいたします。
これまでの30年にも及ぶ両都市との姉妹都市交流の歴史を大切にし,今後においても,ジョン万次郎の縁により結ばれた友情を一層,育みながら,ジョン万国際ネットワークの構築,情報発信の強化に繋げていきたいと思っております。
次に,8月8日,土佐清水市役所におきまして,県下5例目となる「社会福祉法人 土佐清水市社会福祉協議会及び日本赤十字社高知県支部の包括的な連携並びに当該連携に対する土佐清水市の支援に関する協定」の締結式が行われました。
市民に対する防災,減災,被災者への対応,ボランティア活動の強化など,土佐清水市社会福祉協議会と日本赤十字社高知県支部が,包括的な連携協力のもとに活動を展開し,土佐清水市がその活動を支援することによって,市民の安心・安全及び福祉の向上に繋げて行くことを目的としています。
この協定締結によって災害時に備え,更に関係機関と連携・協力を深め取り組んでまいります。
次に,7月末から8月中旬にかけて,在職年数別の職員との意見交換会をはじめ,各課との課題別協議を29グループに分けて実施いたしました。
本年4月の新規採用職員をはじめ若手職員との意見交換会におきましては,公務員として仕事に向き合う姿勢や目標について意見を求め,更に,市民のために仕事に取り組むことを要請したところです。
また,各課との協議の中では,各課における重点課題や,今後の取組方針などにつきまして意見交換を行いましたが,建設的な意見も多く出され,今後も定期的に開催する中で,市政の課題を全職員で共有し,職員一人一人が問題意識を持って,地域や職場の課題に対し力を合わせ,市民福祉の向上,地域の活性化に向け取り組んでいきたいと思います。
次に,昨日開催しました「土佐清水市総合防災訓練」について御報告いたします。
今回の訓練は,前日の9月2日,午前8時54分に南海トラフ地震が発生したことを想定し,職員の安否確認に始まり,大津波警報が解除された発災後24時間が経過して各機関に関係者が参集している状況からスタート。
まずメイン会場では,災害対策本部「情報伝達・共有訓練」として,災害発生直後の土佐清水市の全容を把握する訓練に始まり,四国電力に一刻も早い電源復旧を依頼する「配電線応急復旧訓練」,渭南病院と災害時連携協定を結んでいる,鹿児島「米盛病院」及び福岡「和白病院」から協力していただいた「ヘリ搬送訓練」では,負傷者を広域搬送するための「ヘリ離発着訓練」や「搬送給油訓練」を実施しました。
新しい訓練としては,警察検視班による「身元確認・検視訓練」やサテライト会場の清水中学校では,今回の訓練初参加となった清水中学校・清水高校の生徒及び土佐清水市社会福祉協議会による「避難所開設運営訓練」「物資搬送訓練」「ボランティアセンター運営訓練」「医療救護所開設運営訓練」「給水訓練」「通信応急復旧訓練」が行われたところです。
さらにメイン会場では,関西空港海上保安航空基地から離陸した固定翼航空機から連絡を受け,情報共有する「情報伝達訓練」や,清医会による「救護病院開設訓練」,航空自衛隊土佐清水通信隊情報収集部隊による「要救護者搬送訓練」,消防団・女性防火クラブによる「水防工法訓練」「初期消火訓練」,そして最後は大規模火災の発生を想定して,ミキサー車からの補給を受けながら消火活動にあたる「一斉放水訓練」と続き,関係者約800人が参加して,これまでにない大規模で実践的な訓練を実施することができました。
この経験を生かし,災害時に適格かつ迅速な対応ができる判断力と行動力をさらに培い,いざという時の心構えと日頃からの備えを怠らず,来るべき「南海トラフ地震・津波」へ立ち向かってまいりましょう。
今年の総合防災訓練に御協力くださいました,航空自衛隊土佐清水通信隊,中村警察署清水警察庁舎,土佐清水海上保安署,高知県幡多地域本部,高知県幡多福祉保健所,土佐清水市消防団,女性防火クラブ,四国電力株式会社,NTTグループ,LPガス協会土佐清水支部,清水コンクリートサービス株式会社,清医会,渭南DMAT,米盛病院,和白病院,土佐清水市社会福祉協議会,自主防災会,清水中学校,清水高校など参加機関及び団体の皆様方に対しまして,心より感謝とお礼を申し上げます。
誠にありがとうございました。
続きまして,御寄附の報告をさせていただきます。
東京在住の 濱﨑 洸一様から,土地の御寄附をいただいた他,高知県LPガス協会土佐清水支部様から,災害時等に活用して欲しいと,ガス炊飯器3台を寄贈いただきました。この場をお借りしまして厚く感謝申し上げます。
また,土佐清水ライオンズクラブ様からは,昨年に引き続き,市内の赤ちゃんが誕生した御家庭に対し,「土佐清水に生まれてくれてありがとう」の気持ちを込めて,写真アルバム60冊を寄贈していただきました。所管課を通じ,各家庭へお渡しいたします。
誠にありがとうございました。この場をお借りしまして厚く感謝申し上げます。
それでは,御提案申し上げました各案件につきまして,御説明申し上げます。
議案第42号から第44号までの3件は,平成29年度予算にかかる補正予算案であります。
一般会計補正予算(第4号)は,小・中学校教育情報セキュリティ強靱化に伴う委託料など,「子育て・教育環境の充実」予算といたしまして計2,778万8千円,産業振興促進総合支援事業費補助金336万2千円,冷凍保管施設設計業務委託料170万円など,「基幹産業の復興と雇用対策」予算といたしまして計873万6千円,防災行政無線支柱移転委託事業970万円など,「南海地震・津波対策」予算といたしまして,計1,170万円を計上しております。このほかにも,老人保護措置委託料542万7千円,障害福祉サービスシステム改修事業178万2千円,産前・産後ケア体制づくり事業35万円などに,本年4月の人事異動に伴う人件費の調整を含めまして,歳入歳出それぞれ合計7,853万7千円を補正計上し,一般会計予算総額は108億6,471万4千円となります。
特別会計では,2会計につきまして補正予算案を計上させていただきました。
国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)は,本年4月の人事異動に伴う人件費の調整によるものです。
介護保険特別会計補正予算(第2号)は,本年4月の人事異動に伴う人件費の調整及び平成28年度事業費確定に伴う返還金等を計上しております。
議案第45号から議案第52号までの8件は,平成28年度土佐清水市一般会計歳入歳出決算と,各特別会計の歳入歳出決算の認定についてであります。
議案第53号は,平成28年度土佐清水市水道事業会計の剰余金の処分につきまして,議決を求めるものであります。
議案第54号は,土佐清水市立学校給食センターを設置するため,新たに条例を制定するものであります。
議案第55号は道路法第10条第3項に基づいた市道路線の廃止,議案第56号は,道路法第8条第2項に基づいた市道路線の認定につきましてそれぞれ議決を求めるものであります。
議案第57号は,幡多広域市町村圏事務組合の共同処理する事務の追加及び規約の変更について,議会の議決を求めるものであります。
議案第58号は,「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」に基づき,工事請負契約金額の変更につきまして議会の議決を求めるものであります。
以上をもちまして,議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。なお,細部につきましては,所管課長から説明をいたしますので,何とぞ御審議の上,適切な議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
平成29年9月4日
土佐清水市長 泥谷 光信