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平成28年12月5日の市長室

市長提案理由説明書

本日ここに,平成28年土佐清水市議会定例会12月会議の開催に当たり,市政の課題等につきまして,所信の一端を申し述べますとともに,平成28年度土佐清水市一般会計補正予算(第6号)をはじめとする議案等について御説明申し上げ,議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力をお願いいたします。

議会

「第6回土佐清水ジョン万祭り」が,去る10月29日に開催されました。
この「ジョン万祭り」は,アメリカと本市で隔年で交互に開催しており,記念式典には今年も直系5代目御子孫の中濱京様をはじめ,姉妹都市でありますアメリカのフェアヘーブン,ニューベッドフォードや沖縄県豊見城市など,遠方より多くの御来賓の方々のほか,議員の皆様方にも御臨席を賜り,心より御礼申し上げます。
あしずり港岸壁で行われたイベントでは,「ハロウィン仮装コンテスト」や「ジョン万かるた取り大会」などが行われ,終日多くの家族連れで賑わったほか,「志国高知幕末維新博」のPR隊「土佐おもてなし海援隊」のステージや県内の「よさこい」常連チームによる演舞が祭りに花を添えていただきました。
翌30日には,土佐ジョン万会主催の「第5回ジョン万サミット」が中央公民館で開催され,全国各地からジョン万次郎を顕彰する団体関係者が本市に一堂に会し,活動報告などを通じて交流を深めたところです。
ホイットフィールド船長とジョン万次郎の友情・功績を多くの方々へ伝えるとともに,国を越え,友好の輪が益々広がりますよう御祈念申し上げます。この2日間のイベントに準備から運営まで御尽力いただきました関係者の皆様に,この場をお借りしまして厚く感謝申し上げます。
なお,来年の「第6回ジョン万サミット」は,ジョン万次郎の命日にあわせ11月12日に東京で開催されることが決定しております。さらに来年はジョン万次郎生誕190年,本市とフェアヘーブン,ニューベッドフォード両都市と姉妹都市盟約を締結して30年の節目の年にあたることからも,ジョン万次郎のNHK大河ドラマ化実現に向け,アメリカでも署名活動を展開するなど,取組を更に強化してまいりますので,今後におきましても御支援・御協力をお願いいたします。

 

次に,本市発展に功績があった方々を2年に一度表彰する「土佐清水市表彰」についてであります。
今回は,市政・産業・社会福祉など各般にわたり,その振興に寄与され,功績が顕著な方々を表彰させていただきました。受賞者は,功労表彰に井村(いむら)敏雄(としお ) 様,瀧澤(たきざわ)(みつる) 様,弘田浩三(ひろたこうぞう) 様,小林(こばやし)正伸(まさのぶ) 様,岡本(おかもと)(じゅん)次郎(じろう) 様,善行表彰に山岡(やまおか)(せい)() 様,故・岡林(おかばやし)(もり)(まさ) 様,地場産品直販所 四季の里 様,特別表彰としまして畑山(はたやま)(ひろし) 様,故・溝渕南海郎(みぞぶちなみろう) 様,以上9名1団体の方々でございます。皆様には,心からお祝いを申し上げますとともに,今後一層の御活躍と御健勝をお祈りいたします。

 

続きまして,去る11月7日に本市と土佐清水市旅館組合との間で,「大規模災害時における避難所としての施設の使用及び救援物資の提供に関する協定」を締結いたしました。
この協定は,災害救助法が適用された大規模災害におきまして,旅館組合員が所有する宿泊施設を避難所として使用することや,水や食料,寝具などの救援物資を提供していただけることとなっており,高齢者・障害者・妊婦など,市が指定する避難所では生活に支障があり,配慮が必要である方々とその同伴者を対象としています。旅館組合全体では,高台にある足摺岬のホテルを中心に約2,000人の受入れが可能であるとのことです。
本市はこれまでも国,県,他自治体や企業,各種団体等との間で,災害時における協定を締結しており,今回で27件目の協定締結となります。今後も官民が連携し,被災後を想定しながら,その対策を加速させてまいります。

 

続きまして,日本ジオパーク認定に向けた取組についてであります。
本年7月から4か月にわたって開催してまいりました「ジオガイド養成講座」が全日程を終え,16名の方々が修了いたしました。
養成講座は,土佐清水ジオパーク構想のすばらしさを住民や観光客に伝えるために必要となる知識や話し方などの習得に向け,座学・現地学習・実践研修の計24時間のカリキュラムにより実施され,全日程を受講された方々に修了証書を交付させていただきました。今回修了された方々には,公認ジオガイドの資格が与えられ,第1期生として活動していただくこととなります。
日本ジオパーク認定に向けた今後のスケジュールは,来年4月の認定申請に始まり,5月のプレゼンテーション,7月から8月にかけての現地審査を経て,9月に最終審査結果の発表という流れになります。特に現地審査では,ジオガイドが審査員に対し,説明や案内を行うことから,ジオガイドの果たす役割は大変重要であり,今後の活躍を大いに期待するところです。なお,養成講座は来年度も実施する予定で,ジオガイドの増員を図るとともに,今回修了された方々の更なるスキルアップにつながるものにしていきたいと考えております。
日本ジオパーク認定に向けた取組は,これから正念場を迎えます。今後におきましても,土佐清水ジオパーク推進協議会を中心として,官民協働のもと一丸となって取組を推進してまいりますので,皆様の更なる御支援・御協力をお願いいたします。

 

次に,平成29年度予算編成方針についてであります。
私にとりましては,今任期最後の予算編成となりますが,御承知のとおり,昨年実施されました国勢調査における人口減に伴い,本市一般会計歳入全体の約35%を占める普通交付税が大幅に減額されたことによりまして,「長期財政見通し」の改訂を行い,先の9月会議審議期間中の総務文教常任委員会及び産業厚生常任委員会におきまして,その内容について御説明させていただき,また職員にも今後大変厳しい財政状況が続くことを共通認識させるため,9月会議終了後に全職員に対して「長期財政見通し」の説明を行ったところです。
厳しい財政状況ではありますが,来年度の予算編成につきましては,これまでどおり「子どもは宝」「若者は希望」「お年寄りは誇り」「命を守る」「絆は力」,この5つを重点施策として特別枠に設定したほか,昨年策定いたしました「土佐清水市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置付けた事業につきましては,地方創生枠として設定することとしております。
しかしながら,来年度につきましては,普通交付税の大幅減などを考慮し,特別枠と地方創生枠以外の経費につきましては,義務的経費を除き,一般財源ベースで対前年度当初比15%減のシーリングを設定させていただきました。今回のシーリング設定値につきましては,10年前の小泉政権時に三位一体改革が行われていた平成18年度の20%減に次ぐものであり,本市にとりましては近年にない大変厳しい予算編成となります。
職員一人一人が今一度自らの持つ事業や業務について,緊急性・必要性,費用対効果等を十分に検証した上で,既存事業の見直し・効率化を徹底し,知恵を出し合って限られた財源の中で最大の効果を生むような事業を展開するとともに,私の人脈もフルに活用し国・県への要望活動を積極的に行いながら,この財政難に立ち向かってまいりますので,御理解・御協力をお願いいたします。

 

次に,特別養護老人ホーム「しおさい」の運営につきまして御報告させていただきます。
この件につきましては,本年1月に「しおさい運営検討委員会」から「人件費削減が困難である以上,民間移譲が妥当」との答申を受け,これを尊重し民営化への方向性などを含め協議・検討を行ってまいりました。同委員会が指摘したとおり,しおさいの経営を圧迫しているのは,歳出全体の80%以上を占める人件費が最大の原因であり,独立採算での経営を行うためには,人件費を抑制する以外に収支の均衡を図る方法はなく,これまで一般職と同じ俸給表であった介護員と調理師につきましては,国の一般職給与法に定められた技能職員の俸給表であります行政職俸給(二)表を導入することについて,副市長を中心に職員組合等と協議・検討を重ねた結果,平成29年4月1日からこの俸給表を導入することといたしました。このことによりまして,1人当たりの年間給与が平均約80万円,率にして13%の減となることから,激変緩和措置として3年間で段階的に減額していくこととし,引き続き直営により独立採算を基本に運営していくことといたしました。
しかしながら,しおさいの利用者数の状況や利用実態,施設の老朽化に伴う大規模改修など,まだまだ課題が山積していることから,今後におきましても更なる改革が必要と考えており,今後の介護保険制度改正や市内の民間施設の動向なども注視してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。

 

続きまして,御寄附の報告をさせていただきます。
市内三崎浦 原敬三(はらけいぞう) 様より,市民福祉の向上に役立ててほしいと100万円の御寄附をいただきました。目的に沿って大切に使わせていただきます。
高知市在住の八木(やぎ)眞理子(まりこ) 様より,日本画を寄贈していただきました。より多くの方々に御観覧いただけるよう,中央公民館に設置させていただきます。
照月吟誌会(しょうげつぎんしかい) 会長 川久保安(かわくぼやす)(のぶ) 様より,市民福祉の向上に役立ててほしいと車椅子を寄贈していただきました。目的に沿って大切に使わせていただきます。
以上,この場をお借りしまして厚く感謝申し上げます。

 

それでは,御提案申し上げました各案件につきまして,御説明申し上げます。

 

報告第16号は,介護保険法の改正に伴い,関連する条例の一部を改正するもので,改正内容が本条例の趣旨に変更を及ばさないものであるため,地方自治法第180条第1項の規定に基づき,平成28年10月26日に専決処分した報告であります。

 

報告第17号は,市営住宅使用料の未納分の支払督促の申立てについて,相手方から異議申立てがあり,通常訴訟の手続に移行したため,地方自治法第180条第1項の規定に基づき,平成28年11月2日に専決処分した報告であります。

 

議案第74号から第78号までの5件は,平成28年度予算にかかる補正予算案であります。
一般会計補正予算(第6号)では,「子育て・教育環境の充実」といたしまして,昨年に引き続き清水小学校が全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクールに出場するための経費98万8千円のほか,台風災害等に伴う小学校施設の修繕料100万円などを計上。「基幹産業の復興と雇用対策」といたしまして,冷凍センターの作業効率化を図るため,水産業振興事業費補助金として3,920万円のほか,土佐清水市シェアオフィス事業39万8千円や観光客誘客促進事業補助金400万円などを計上。「南海地震・津波対策」といたしましては,下ノ加江地区防災拠点施設用地購入費1,432万2千円などを計上しております。この他にも,臨時福祉給付金事業8,303万9千円,地籍調査事業2,892万円,農地農業用施設災害復旧事業1,850万円などを含めまして,歳入歳出それぞれ合計3億1,329万5千円を補正計上し,一般会計予算総額は124億8,827万9千円となります。

 

特別会計では,4会計につきまして補正予算案を計上させていただきました。
国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)は,出産育児一時金の件数増のほか,高額医療費共同事業医療費拠出金の増額等を計上しております。
介護保険特別会計補正予算(第2号)は,介護保険制度改正に伴うシステム改修費を計上しております。
指定介護老人福祉施設事業特別会計補正予算(第2号)及び介護サービス事業特別会計補正予算(第1号)は,人事院勧告に伴う人件費の補正予算額を計上しております。

 

議案第79号は,水道料金の適正化及び水道事業の経営効率化を図るため,審議会を設置する条例を制定するものであります。

議案第80号は,地方税法の改正に伴い,関連する条例の一部を改正するものであります。

議案第81号から第83号までの3件は,人事院勧告に伴い,関連する条例の一部を改正するものであります。

議案第84号は,非常勤職員の雇用につきまして,戸籍関連事務等を行う総合窓口職員を追加するため,条例の一部を改正するものであります。

議案第85号は,土佐清水市再生可能エネルギー基本条例につきまして,条例制定検討委員会を組織し議論を重ね,住環境・自然環境に配慮する内容に全部改正するものであります。

議案第86号から第88号までの3件は,今年度末で指定管理期間が満了となる「あしずり港交流拠点施設」「貝類展示館」「地場産品販売施設」につきまして,来年度以降3年間の指定管理者の指定について議決を求めるものであります。

 

以上をもちまして,議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。なお,細部につきましては,所管課長から説明をいたしますので,何とぞ御審議の上,適切な議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


平成二十八年十二月五日
土佐清水市長 泥谷 光信

 

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