令和6年1月22日の市長室
市長提案理由説明書
本日は,令和6年土佐清水市議会定例会を招集申し上げましたところ,議員各位におかれましては,何かと御多用の中,御出席を賜り,開会の運びとなりましたことを心から御礼申し上げます。
1月会議の開催に当たり,一言御挨拶を申し上げますとともに,本会議に提案させていただきました議案につきまして,その概要を御説明申し上げ,議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力を賜りたいと存じます。
まずはじめに,1月1日に発生しました,石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに,被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
最大震度7を観測した地震発生から3週間が経過いたしましたが,時間の経過とともに,甚大な被害の状況が徐々に明らかとなり,強い余震が続く中,自衛隊や消防隊員等による懸命な人命救助や,復旧作業が行われています。さらに,厳しい寒さの中,多くの方が不安を抱えながら避難生活を強いられるなど,被災地では,今もなお過酷な状況が続いています。
本市といたしましても,被災された方々の生活支援や,一日も早い復旧,復興に向けた支援を行うため,能登半島地震災害義援金として,日本赤十字社を通じて,迅速に被災地へお届けするため,予備費から100万円を被災地へ寄附させていただくことといたしました。
被災地の早急な復興と,被災された皆様が一日も早く平穏な生活を取り戻されますよう心よりお祈り申し上げます。
また,1月2日には,羽田空港において,着陸しようとした日本航空機516便と,海上保安庁の航空機が滑走路上で接触し,双方が炎上する事故が発生いたしました。幸いにも,516便に搭乗していた乗客,乗員の379名は,全員脱出することができましたが,海上保安庁の航空機に乗っていた乗組員5名の方がお亡くなりになる,大変痛ましい,大きな事故となりました。
現在,事故原因について調査が進められていますが,海上保安庁の航空機は,能登半島地震の被災地支援へ向かう途中であったことからも,言葉では言い表せない,深い悲しみが込み上げてまいります。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに,負傷された皆様に心から御見舞を申し上げます。
さて,新しい年が始まりました。市民の皆様におかれましては,健やかに令和6年の新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は,新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5月8日から5類へ移行となり,暮らしの中の各方面にわたる様々な制限等が終了, 緩和されるなど,これまで3年余り続いたコロナ禍から,ウイズコロナ,アフターコロナ時代へと,大きな転換期を迎えた年でありました。
本市におきましても,行動制限のない中でのイベント開催や,地域での伝統行事など,コロナ禍前の賑わいが徐々に戻ってきたように見受けられます。本市では,これから足摺半島に自生するヤブ椿の見頃にあわせて,毎年開催している「足摺椿まつり」を皮切りに,本格的な観光シーズンを迎えることとなります。各種イベント等を通じて,土佐清水市を全国へ発信するとともに,市民の皆様をはじめ,多くの観光客の皆様にお越しいただき,本市の魅力のひとつである,雄大で風光明媚な景観や,地球の歴史が学べるジオパークなど,本市が誇る「自然」「食」「風土」を全身で感じ,満喫していただきたいと存じます。
次に,「成人式」についてであります。
令和4年4月以降,民法上の成人年齢が20歳から18歳へ引き下げられておりますが,本市におきましては,これまでどおり20歳になる方を対象に,毎年1月に開催することとしております。本年は,1月3日,市民文化会館において「成人式」が開催されました。
式典では,新成人となられた皆様へ,失敗を恐れないチャレンジ精神と他者を思いやる心を持ち,土佐清水市への愛着と誇りを胸に,これからの人生を切り拓いてほしいと,未来を担う若者に心からのエールを送り,新成人としての門出を祝福いたしました。
また,1月7日には,清水小学校校庭におきまして,新春を彩る「土佐清水市消防出初式」を,消防団員の皆様をはじめ,約260名の皆様の集結のもと,開催いたしました。
本市の消防出初式は,2年に1度開催しており,広く市民にも公開し,防火・防災意識への認識を深めていただくとともに,消防団員並びに消防職員の士気高揚と,団結を図ることを目的に実施しています。
式典では,市民の生命・財産を守るため,昼夜を分かたず献身的に御尽力いただいている消防職,団員の皆様へ,心からの敬意と感謝を申し上げ,永年にわたり消防活動に御尽力いただいた個人や団体の皆様へ永年勤続功労賞及び感謝状等を贈呈いたしました。
式典終了後には,消防団員と消防関係車両による市中パレードが行われ,市民の皆様が見守る中,勇壮な行進を拝見し,大変心強く,そして頼もしく感じた次第であります。
消防を取り巻く環境は,複雑多様化する一方,その必要性は,年々高くなってきております。火災や近年頻発するゲリラ豪雨をはじめ,今日,明日にでも起こる可能性のある「南海トラフ地震」など,突然の災害に迅速かつ適切な対応を講じるため,日頃から地域防災力の充実,強化を図ることは,私どもに課せられた重要な責務であります。
本市といたしましても,関係機関と連携を密にしながら,より一層,減災・防災対策に力を注いでまいる所存でありますので,皆様の御理解,御協力をお願いいたします。
さて,本市は,昭和29年8月1日「土佐清水市」として誕生し,本年8月には「市制施行70周年」を迎えます。これまで先人たちが築いてきた歴史を振り返り,その業績に感謝するとともに,記念すべき節目の年を市民の皆様とともに盛り上げるため,市職員をはじめ,市内外から事業のアイデアを募るなど,趣向を凝らした記念事業の実施に向け,現在,企画・調整を進めているところであります。
未来に向け,魅力あるまちづくりを進めるためにも,市民の皆様とともに記念事業に向けた取組を進めてまいりますので,引き続き,皆様の御協力をいただきますようお願い申し上げます。
次に,新型コロナワクチンの「秋開始接種」の状況について報告させていただきます。
本市では,昨年10月2日から市内4医療機関において「個別接種」を開始し,12月3日には,旧清水保育園において「集団接種」を実施する予定としていましたが,フィリピン付近を震源とする地震の津波注意報が発令されたことに伴い,1月14日へ延期させていただきましたが, 323名の方が接種を受けられております。
そのほか,特例臨時接種が今年度末に終了することに伴い,厚生労働省から令和6年度以降の新型コロナワクチン接種について方針が示されております。通知によりますと,現在,全額公費負担により実施している ワクチン接種は,令和6年3月31日をもって終了となり,令和6年4月1日からは,季節性インフルエンザ相当と位置づけた上で「定期接種」として実施することとなります。
一方,県は,県内での新型コロナウイルスの新規感染者が急増していることから,第10波の感染拡大に突入したとの認識を1月17日に示しております。本市の集団接種は,終了いたしましたが,市内4医療機関では,引き続き,3月末まで「自己負担なし」で接種を受けることができますので,ワクチン接種を希望される方は,早い段階での検討をお願いします。特に重症化リスクが高い方は,御自身を守るためにも,積極的な接種をお願いいたします。
さて,市長に就任させていただき,早くも3か月が経過しようとしていますが,市民の皆様の「命」と「暮らし」を守る,その職務と責任の重さに,改めて身の引き締まる思いであります。
ときに,今年の干支は「辰」であります。12種類の干支の中で唯一,龍だけは想像上の生き物でありますが,昇り龍のごとく,活気に溢れ,何事にも挑戦し,大きく飛躍する年となるよう切に願うばかりです。
市民の皆様に「暮らして良かった」と感じていただける「まちづくり」の実現に向け,職員一丸となり,掲げた公約の着実な実行に向け,今後も全力で市長の任に当たってまいりますので,議員各位におかれましては,御理解,御協力を賜りますよう本年もよろしくお願い申し上げます。
それでは,御提案申し上げました案件につきまして,御説明申し上げます。
議案第1号及び議案第5号は,令和5年度土佐清水市一般会計予算に係る補正予算案であります。
議案第1号「令和5年度土佐清水市一般会計補正予算(第9号)」は,国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し,「地域電子通貨 めじか」による支援策として,全市民に一律3千円分のポイント付与を行うほか,チャージした際のプレミアムポイントを本年3月から令和7年3月末まで5パーセントとする予算として,合わせて6,789万9千円を計上しているほか,年度途中で退職した職員及び特別職の退職手当金として2,833万7千円,足摺海底館連絡橋の老朽化調査費用として672万円などを含め,総額1億1,089万7千円を補正計上するものであります。
議案第5号「令和5年度土佐清水市一般会計補正予算(第10号)」は,国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し,住民税均等割のみ課税世帯への給付金等の給付にかかる必要な経費として8,055万4千円を補正計上するものであります。これにより一般会計予算総額は,110億3,203万1千円となります。
議案第2号は,戸籍法の一部を改正する法律が令和6年3月1日に施行されることに伴う手数料条例の一部改正についてであります。
議案第3号及び議案第4号につきましては,関連がありますので,一括して申し上げます。
本議案は,下ノ加江地区の市道路線である,市野々2号線の道路付け替えにより,道路の位置を変更する必要が生じたため,市野々2号線を廃止し,新たに市野々7号線として市道路線の認定を行うため,道路法第10条第3項及び同法第8条第2項の規定に基づき,議会の議決を求めるものであります。
以上をもちまして,議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。なお,細部につきましては,所管課長から説明をいたしますので,御審議の上,適切なる議決を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年1月22日
土佐清水市長 程岡 庸