令和2年12月7日の市長室
市長提案理由説明書
本日ここに、令和2年土佐清水市議会定例会12月会議の開催に当たり、市政の課題等につきまして、所信の一端を申し述べますとともに、令和2年度土佐清水市一般会計補正予算(第8号)をはじめとする議案等についてご説明申し上げ、議員の皆様及び市民の皆様にご理解とご協力をお願いいたします。
先週11月会議を開催いたしましたが、一週間後となる本日12月会議の開催に当たり、今年を振り返ってみますと、1月会議・3月会議・3月第2回会議・5月会議・6月会議・7月会議・9月会議・10月会議と通年議会の利点を最大限生かしながら毎月のように議会を開催し、議員各位とともに市民の命と健康、暮らしを守るためにコロナ対策に取り組んでいるところですが、12月に入りましても日本国内では、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数及び重症者数は、過去最多を更新する日々が続いており、死者数も先月に2,000人を超えて増加ペースが加速していると言われ、特に大都市においては、医療体制の危機が叫ばれております。
改めまして、お亡くなりになられた皆様方に心からのお悔やみを申し上げますとともに、この瞬間にも厳しい医療の現場においてご尽力いただいている医療従事者の皆様方に心からの敬意と感謝を申し上げます。
高知県においては、秋以降、一定落ち着いていましたが、12月1日、一日の新規感染者が5人確認され、県の感染症対応の目安としている独自のステージを「感染観察」から「注意」に引き上げました。
翌2日には、8人の新規感染者が確認され、県内の直近7日間の感染者が16人となったことなどを踏まえ、さらにステージを一段階引き上げて「警戒」とし感染防止の徹底に加え、会食を可能な範囲で規模縮小や時間短縮するなどの注意喚起を行っております。
これを受け、市としましては、3日に緊急の課長会を開催し年内の県外出張を禁止するとともに感染防止対策について情報を共有したほか、市民の皆様には基本的な感染防止策を徹底していただくよう防災行政無線を通じて注意喚起を行ったところでありますが、この日の県内の新規感染者数は、15人、翌4日には16人、さらに5日には19人との発表があり県内で一日に感染が分かった人数としては過去最多を三日連続で更新いたしました。また、昨日6日も18人との発表があり、とりわけ、幡多福祉保健所管内においては、5日に2人、6日に3人と計5人の新規感染者が確認されております。このペースが続くと「特別警戒」のステージに入りかねない状況となっております。
土佐清水市では、市民の皆様のご協力により、現在まで一人の感染者も出ておりませんが、引き続き、市民の新型コロナウイルス感染防止対策の徹底と低迷する本市経済の活性化に向けた施策に全力で取り組んでまいります。
次に、一昨日開催されました「第37回土佐清水市産業祭」についてご報告いたします。
今年はコロナ禍ということもあり開催が危ぶまれていましたが、コロナ禍により疲弊した地域経済の活性化のためにも是非開催して欲しいとの声が多数あったことから、一日限りではありましたが新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと講じたうえでの開催となりました。
当日は約70店舗が出店し、あしずり太鼓やバラ抜き節等の郷土芸能が披露されたほか、大鍋汁が振舞われるなど市内外から数多くの皆様にご来場いただき熱気あふれる産業祭となりました。
続きまして、令和3年度予算編成方針についてであります。
まず、予算編成にあたっての基本的な考え方として、現在重点施策として実施している「メジカ産業再生プロジェクト事業」、「防災行政無線デジタル化事業」の2つの事業を特別枠と位置付け、予算を重点配分することとしております。
また、この特別枠と人件費、扶助費、公債費といった義務的経費を除いたものについては、令和2年度当初予算一般財源ベースを上限としたゼロシーリングを原則としたほか、過疎債及び緊防債の対象となる事業以外の一般建設事業については、可能な限り事業縮小又は令和4年度以降へ先送りを行うこととしております。
9月会議の中でもご説明申し上げましたが、令和元年度決算に基づく実質公債費比率は18.8%となっており、今後も18%を超えて推移する見込みとなっております。
また、財政調整基金の残高も減少傾向で令和元年度末時点では約8億7,700万円となり、今後、数年にわたって基金の取崩しを行う必要が見込まれている状況であります。
さらに、令和3年度は5年に1度の国勢調査人口の反映に伴う普通交付税の減額が見込まれており、例年以上に厳しい財政運営を行っていかなければなりません。
このため、財源不足の圧縮、財政健全化に努めていくことが必要不可欠であり、事業の緊急性や必要性、投資効果や類似事業の整理統合、優先順位の選択等を十分に検証したうえで、既存事業の見直しや効率化を徹底し、国・県の補助金の積極的な活用など、財源の確保についても最大限努めるよう、職員に指示したところであります。
私としましても、国・県への要望活動を積極的に行いながら、この財政難に立ち向かってまいりますので、ご理解・ご協力をお願いいたします。
続きまして、ご寄贈・ご寄附の報告をさせていただきます。
四国電力株式会社 様より、2基のLED防犯街路灯を寄贈していただきました。これは、社会貢献活動の一環として行われているもので、ご寄贈いただいた街路灯につきましては、清水ヶ丘地区に設置させていただくことにしております。
また、四国八十八箇所巡りをされている久保 満子 様他6名の方々より、あしずり遍路道の環境整備に役立てて欲しいと19万円のご寄附をいただきました。
早速、真念庵に案内看板を設置する費用を今会議の補正予算案に計上し、その財源として活用させていただくこととしております。
以上、ご寄贈・ご寄附をしていただいた皆様に、この場をお借りしまして厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。
それでは、ご提案申し上げました各案件につきまして、ご説明申し上げます。
報告第16号から報告第18号までの3件は、いずれも法律の改正に伴い、関連する条例について一部改正が必要となったことから、地方自治法第180条第1項の規定に基づき、専決処分した報告であります。
議案第80号から第84号までの5件は、令和2年度予算にかかる補正予算案であります。
一般会計補正予算(第8号)は、新型コロナウイルス感染症対策に関連するものとして、引き続き【健康】【継続】【暮らし】の3つをキーワードにして、9事業で1億9,186万4千円を補正計上しております。
内訳といたしましては、まず、【健康】感染症拡大防止策としまして、訪問入浴車購入事業464万6千円のほか、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業199万6千円。
次に、【継続】事業所などを支援する経済対策としまして、現在、光ファイバー整備事業4箇年計画の3年目として下川口・貝ノ川地区の整備に係る予算を令和2年度当初予算に計上しているところでありますが、新型コロナの感染拡大に伴い、国が光ファイバー整備に係る補助制度の補助要件を緩和したことから、4年目として、来年度に予算計上を予定しておりました足摺岬・窪津地区の整備に係る予算も合わせて、国庫補助金を活用し、前倒しを行い今回補正計上することといたしました。これに係る補助金として、土佐清水市情報通信基盤整備事業費補助金5,184万9千円のほか、土佐清水市内の登録事業所で利用できる地域電子通貨について、全市民に5千円分のポイントを付与する土佐清水市経済活性化対策事業6,670万円、観光客誘客促進事業費補助金として地域電子通貨を活用し、5千円分のポイントを付与するジョン万満喫クーポンキャンペーン第3弾の実施分1,609万4千円、市内の宿泊及び体験型観光事業者が実施する施設改修等に要する費用を補助する観光施設等改修事業補助金3,013万5千円、市が管理する施設の改修等を行う経費として屋外観光施設等改修工事費1,267万5千円、足摺テルメの維持管理費696万4千円。
最後に【暮らし】子育て世代と高齢世帯への支援策としまして、休校期間中に学童保育を実施していたことにより人件費やコロナ対策で必要となった消耗品費を追加計上する放課後児童クラブ推進事業80万5千円をそれぞれ計上しております。
このほか、新型コロナ対策とは別に、生活保護扶助費の増額3,680万円、後期高齢者医療療養給付費負担金の増額7,591万円、普通河川改良工事1,931万円、人事院勧告等に伴う人件費の減額529万8千円、ふるさと元気寄附金推進事業の増額7,535万6千円など歳入歳出それぞれ合計で3億1,617万7千円を補正計上し、一般会計予算総額は131億9,997万5千円となります。
なお、今年の人事院勧告に伴う条例改正案は、先の11月会議で議決をいただいたところでありますが、本会議におきましては、補正予算案を提出させていただいております。
特別会計では、4会計につきまして補正予算案を計上させていただきました。
国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)及び再生可能エネルギー事業特別会計補正予算(第2号)は、人事院勧告及び超過勤務実績見込みに伴う人件費の増額について計上しております。
介護保険特別会計補正予算(第3号)は、人事院勧告及び超過勤務実績見込みに伴う人件費の増額のほか、令和2年度介護保険報酬改正等に伴うシステム改修費用について計上しております。
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)は、人事院勧告に伴う人件費の減額のほか、高齢者医療制度見直し等に係るシステム改修費用について計上しております。
議案第85号は、差別の解消及び人権施策を推進するため条例の全部を改正するものであります。
議案第86号は、令和3年4月1日より、税務課と収納推進課を統合することに伴う条例改正であります。
議案第87号は、公の施設に係る指定管理者の指定の手続きに関し、公募を行わないことについて相当の理由があるとき等の場合は、市長等が適当と認める団体を指定管理者の候補として選定することができるよう条例の一部を改正するものであります。
議案第88号は、地方税法施行令の一部改正に伴い条例の一部を改正するものであります。
議案第89号は、条例の目的に沿った事業を実施する際に基金を財源として活用できるよう条例の一部を改正するものであります。
議案第90号は、うすばえ桜公園が新たに都市公園に位置付けられたことに伴い条例の一部を改正するものであります。
議案第91号は、省令の一部改正に伴い条例の一部を改正するものであります。
議案第92号及び93号は、指定介護老人福祉施設事業特別会計及び介護サービス事業特別会計を廃止し、本年4月より土佐清水市特別養護老人ホームしおさい特別会計が設置されたことに伴い条例の一部を改正するものであります。
議案第94号は、社会体育施設の指定管理者、議案第95号は、白山洞門展望足湯の指定管理者の指定について、それぞれ議決を求めるものであります。
以上をもちまして、議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。なお、細部につきましては、所管課長から説明をいたしますので、何とぞ、ご審議の上、適切な議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和2年12月7日
土佐清水市長 泥谷 光信