金剛福寺本堂の本尊である千手観音立像及び両脇侍の不動明王立像及び毘沙門天立像は、いずれも室町時代前期の作と言われ、檜材による寄木造りです。千手観音立像は本堂厨子後方の耐火室に安置されている秘仏のため、通常はその姿を目にすることはありません。なお、千手観音立像は平成16年から2年間で保存修理を行っており、その際に像内から発見された墨書銘により暦応5年(1342)の作と断定されています。
この像内納入品については、平成18年4月1日付けで(附)木造千手観音立像内納入品一括として県指定の保護文化財に追加指定されています。
木造千手観音立像
垂髻上に仏面、天冠台上地髪部正面に光背蓮華座付の化仏、頭上に化仏を配した三面千手観世音菩薩立像です。
面部は本面、両脇面とも白毫、玉眼を嵌入し、三道を彫出、耳朶環状とし、条帛、天衣を懸け、裳を二段に折り返し、天衣は膝横にたれています。合掌手・宝鉢手の他、脇手を前・中・後列として配し、後補の小脇手を束ねて挟み込み、各脇手は持ち物を執り、脇手掌に目を描き蓮台上に立っています。
木造不動明王立像
不動明王は、仏道修業者をして「菩提心を起こさせ、悪を断じて善を修め、大智慧を得て成仏させる力を持ち、一切の罪悪を破摧して動揺しない」と言うことから名づけられ、その忿相は外に燃えるか如き怒と威厳を表し、内には慈悲の本誓を秘めたものと言われています。金剛福寺本堂の不動明王像は、毘沙門天像とともに本尊千手観音の脇侍として造られたもので、右手に慧刀を持ち、左手に羂索を捧け、両眼を見開いて前方をにらみつけ、凛然として岩座に立つ基本的な忿怒の像で、室町時代の作と言われていますが劣化により光背や台座等の損傷が激しく、尊容が損なわれています。
木造毘沙門天立像
毘沙門天は、多聞天とも言われ四天王の1つとして北方を守護する神で、福徳財富の神としても尊崇され後に七福神の1つとなっています。金剛福寺本堂の毘沙門天像は、不動明王像とともに本尊千手観音の脇侍として造られた木彫像で室町時代の作と言われ、その尊容は仏法守護の大任を表わすために武装忿怒の姿をとり、左手に宝棒を持ち、右手に蓮華を捧げ、鎧に身を固めた武装姿で、腰を捻り体の重心を右足にかけ、強く邪鬼の腰上を踏みしめ、左足でもたげた頭を軽くおさえて、ぐっと前方をにらみつけた形相は、いかにも仏法の守護神らしく勇ましく、且つたくましい迫力を感じさせます。
詳細情報
高知県指定文化財 | |
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種別 | 有形(彫刻) |
指定年月日 | 平成12年3月28日 |
所在地 | 土佐清水市足摺岬字足摺山214番1 |
所有者等 | 金剛福寺 |
形状 | 木造千手観音立像 像高 163.5cm 木造不動明王立像 像高 140cm 木造毘沙門天立像 像高 130cm |
問い合わせ先 | 生涯学習課 |
電話番号 | 0880-82-1257 |
メールアドレス | syougai@city.tosashimizu.lg.jp |