天正17年（1589）と慶長2年（1597）の「長宗我部地検帳」の写本3冊を総称して「三崎地検帳」と呼んでいます。

このうち1冊は茶表紙の和綴本で、元禄4年（1691）に校合されたものです。奥付には「長宗我部地検帳」原本が虫食い文字が数枚あって紙の劣化が見られたため、寛永年間の頃から書写や修繕をしてきた旨が記されています。紙質は3冊の中ではこの和綴本が一番上質な物を使用しています。

白の表紙の2冊の和綴本は、表題がそれぞれ「天正慶長兩検地縮帳・幡多・三崎村」「天正慶長兩検地縮」と記されています。前書（写真左）は虫害のほか、紙の著しい劣化が見られますが、後書（写真中央）は虫害があるものの保存状態は良好です。それぞれ天正17年と慶長2年の地検帳を1冊にまとめた写本です。前書は元禄7年（1694）4月13日に原本をもとに書写・改訂され、後書は享保13年（1728）8月16日に書写・改訂されています。

3冊とも虫害がありますが読み取りは可能です。なお、現在は適切な保存と管理を行うために中央公民館に所蔵しています。