近世、足摺半島西南部の伊佐・松尾・大浜・中浜・清水・越・養老の七か浦一帯は「鼻前七浦」と呼ばれ、紀州印南浦旅漁海民によって開拓され、鰹漁や鰹節加工が盛んに行われてきました。天保11年(1840)の年間鰹漁獲尾数は土佐国全体で190万尾余り、そのうち鼻前七か浦での漁獲尾数は50万尾余りでした(「土佐のカツオ漁」中土佐町)。幕末期このような史上空前の鰹漁景気の中で中浜浦に本拠を置いた山城屋などの鰹節加工販売の廻船商人たちが活躍しました。
「バラ抜き節」は、このような伝統を受け継ぎ、代々行われてきた鰹節製造作業中に納屋で作業に従事する人々によって歌い継がれてきた民謡です。バラとは鰹の骨のことで、品質の良い鰹節を製造するためには丁寧に骨を手作業で除去する必要があったのです。曲節は①良いヨイヤノ節(ヨショヤレ節)と②ヨイヨイ節(ハイカラ節)があり、①は哀調をおび、ゆったりとした旋律ですが、歌える人は少なくなっています。②は親しみやすく、現在も愛唱する人がいます。歌詞は①②共通で漁労や鼻前の自然を歌い上げた物が多く、全部で100以上あります。
詳細情報
土佐清水市指定文化財 | |
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種別 | 無形(芸能関係) |
指定年月日 | 昭和36年11月13日 |
指定番号 | No.15 |
所在地 | 土佐清水市戎町地区(採集地) |
所有者等 | |
形状 | |
問い合わせ先 | 生涯学習課 |
電話番号 | 0880-82-1257 |
メールアドレス | syougai@city.tosashimizu.lg.jp |